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不意に遅く目が醒めた ある 夏の一日 。
主語のないまま十枚の写真を手に取り
主語のないまま十枚の言葉を書き取り
主語のない 十枚の手紙を綴りました。
届いたなら きっと うれしく感じます。
読まれたなら もっと うれしく感じます。
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『ぼんやりと 目が醒めた。』
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『ゆっくりと 想い浮かべた。 』
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『のんびりと 歩いた。』
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『じっと 眺めた。 』
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『やっと 見つけた。』
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『そっと 見つめた。 』
また ただ 見とれながら
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『ふらっと また 歩いた。』
ただ 想像しながら
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『しっかりと また 眺めた。 』
ただ 祈りながら
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『はっきりと また 想い浮かべた。 』
ただ 今を 送りながら
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『ぼんやりと うたた寝した。 』
ただ 歌を聴きながら
また 君の歌で 目を 醒ますまで
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主語のないまま
感情と記憶だけ
目を醒まして
夏の一日から送った
十枚の暑中お見舞い。
君が このあと見る 夏も
どうか 美しい夏で ありますように。
君の 美しい夏を お過ごしください 。
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